「電子とか中間子とかいう物質は、どんなに見ようと努力してもみえやしない。いつまでたっても、神はわからないんだ。しかし、神は存在する。神を知るには、外から見ようとするのでなく、神の中に入っていって、神と一つにならなきゃならない。中に入って一つになるというのは、神を愛すということだ。花が美しいと感じるのは、情緒であり、愛だ。花が美しいと感じる時は、ただ花を見ているだけでなく、自分が花の中に入った時だ。花と一つになった時だ。花を愛したのだ。愛というものは、ただ見て、眺めている時には存在しない。その中に入って一つになった時、はじめてそこにあるものだ」(小林秀雄)一つになるということは、そのものをすべて…