西田彰一『躍動する「国体」筧克彦の思想と活動』(ミネルヴァ書房、令和2年2月)が昨年第15回日本思想史学会奨励賞を受賞した。おめでとうございます。記念に同書の補足(というほどのものではないが)をしてみよう。9頁に次のようにある。 学問の世界において評価されることはほとんどなかったものの、一九二三年に秩父宮に御進講をし、翌年一九二四年に大正天皇妃である貞明皇后にも御進講をしてその信頼を獲得し、一九二五年と一九二六年には、その内容を一冊の本にまとめた『神ながらの道』を、皇后宮職と内務省神社局からそれぞれ刊行している。 『神ながらの道』は好評だったようで、パクリ本が出ていた。神ながらの道研究会『神な…