政治犯の祖父が乗った神秘列車を探す旅に出た少年が見たものとは――。台湾の歴史の襞に埋もれた人生の物語を劇的に描く傑作短篇集! 神秘列車 (エクス・リブリス) 作者:甘耀明 白水社 Amazon 著者名はカン・ヤオミン。台湾文学の著者による短編集。 以前『歩道橋の魔術師』という台湾文学の本を読んだ。どんな感想を書いたのかと思って以前の記事を読み返してみるとどうもピンときていないような感想だった。本作『神秘列車』を読んだ感想も似たものになるかも知れない。中国のノーベル文学賞作家が感心したという書き手らしいので文学的評価の高い作家なのだろうけれど、自分には少しよく分からなかった感じもある。台湾という…