昨年の阪神百貨店の古本まつりにモズブックスが出品した中に、「好古社創立満二十年祝賀入社金割引券」(明治34年5月)と「好古社畧則」があった。3百円と手頃だったので購入。好古社は明治14年福羽美静が創設した蒐集家の団体である。昭和女子大学近代文学研究室『近代文学研究叢書第9巻』(昭和女子大学近代文化研究所、昭和33年9月)によれば、 (略)美静は自ら社長となって、佐伯利麿を幹事、加部厳夫、宮崎幸麿を補助として出発し、機関誌「好古雑誌」を発行した。又、春秋二季に会を開き、社員の中から古器物、古文書、古書画等の歴史の参考となるものを出品し、それを互に品評したりゆずり合ったりした。美静は約十年間社長を…