Ω 𒀭𒎏𒄯𒊕 _ このボクは'自分'という不変的な錯誤を抱えたまま不覚にも生きてきてしまった。あたりまえであるが、生後間もないボクと老衰したボクとでは同じであるはずがない。いやむしろ100パーセント別ものだろう。からだじゅうの数十兆からなる細胞を見遣れば、それ全部が倦むことなく移ろいゆく流動体であり、ほんの一秒を待たずして数百万の細胞が生き死にを重ねる。血液ならば数ヶ月ほど、骨でも数年足らずで全身がすっかり入れかわってしまう。 勿論ちょうど今この瞬間でさえ、代謝は留まることをしらず、常に部品を交換しながら命を灯し続けている。一秒前のボクは一秒経ったボクと同一のようにみえても別人なのだ。 なるほ…