先月末に行われた秋季沖縄県大会準決勝・興南vs沖縄水産の一戦。結果はご周知の通り、延長十四回タイブレークの末、興南が8-7と激戦を制し、九州大会出場を決めた。 この日――私は興南の試合を見て、久しぶりに胸を打たれた。 試合は終始、沖水のペースだった。このところ県内各校の非力ぶりが気になっていたが、沖水各打者の振りは鋭く、少しでも甘く入ったタマは見逃さず打ち返していた。コロナ禍で練習時間はあまり取れなかったろうが、打線の破壊力はもう“全国レベル”に達していたと思う。要所で守備が乱れ、勝ちを逃したことだけがもったいなかった。 一方の興南は、投打ともに終始押されていた。先発の安座間君が2点を失い、一…