神野直彦『財政学』(23) 今回は、第11章 租税原則 の続き(p.151~)である。 租税とは 神野は、「租税とは、政府が公共サービスを供給するために、強制的に無償で調達する貨幣である」という。 強制というのは、「政治システムが独占している暴力を背景に調達する」からであり、無償というのは、「反対給付への請求権が無い」からである、とされる。この説明には違和感があるが、後で述べることにしよう。 租税根拠論 現代の民主主義社会では、公共サービスの供給の財源として、租税は当然のように思えるが、租税の根拠論として、租税利益説と租税義務説の2つが主張されてきた。 神野は、租税の根拠論がなぜ必要とされたの…