クリーヴランドの貧民街の一角に、空地がありました。 そこはあらゆる廃棄物が捨てられている、いわゆるごみ溜めでした。 ある年の春、ひとりの女の子がここにマメを蒔きます。 空地をきれいにしようとか高邁な気持ちでしたのではありませんでした。 ただ、死んでしまったお父さんが昔、お百姓さんだったから、マメが育っていくのをお父さんが喜んでくれるだろうと思ったからです。 すると・・・ 種をまく人/ポール・フライシュマン 作/片岡しのぶ 訳/あすなろ書房 それを古びたアパートの窓から見ていたのは、アナという年老いた女の人でした。 悪ガキが集まり犯罪がよく起こる場所だったので、埋めたのはドラッグかお金か拳銃だと…