// ガクガクと笑いそうになる膝を、手で押さえた。 ヤッベ、なかなかシンドいな…。 沢沿いの獣道みたいな登山道を登りながら、僕はゼーゼー息をした。 ペットボトルの中身は、残り1口分。 既に17:00近く、少しずつ暗くなる山間部。 何もかもがあまりいい状況とは言えなかったが、この先にある栄光を手にするために、突き進むことしか考えていなかった。 僕が目指していたのは、「日本で海岸線から一番遠い地点」。 読んでそのままの概念を持つスポットだ。 2022年現在から見ると、僕が訪問してから"ひと昔前"と言ってもいいくらいに時間が流れたかもしれない。 しかし、たぶんこのスポットは時間が流れようとも変わらず…