作家の中島らもさんが通った高校は、本人いわく「化け物みたいな学校」だった。一学年150人ほどの同級生のうち、140人ぐらいが東大や京大に入る全国屈指の進学校だからだ。らもさんは、残り10人ほどの「落ちこぼれ」の一人だったそうだ ja.wikipedia.org ▼それはまるで「高価なワインのびんの透明な底に沈んでいる、ほんのすこしのオリ」のような存在であったという。ロックや恋愛や読書に没頭しながらも、どこか暗く、苦い10代を過ごしたらしい(『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』) ▼だが、高校時代の彼を虜(とりこ)にした「勉学以外のひと通りのこと」は、のちに作家となってからジワジワと役に立った。だ…