私が子供の頃、水質汚濁は大きな社会問題であった。瀬戸内海で赤潮や青潮が発生し、琵琶湖でも1977年に赤潮が大発生した。河川は消えることのない泡で覆われ、異臭を放っていた。今でもよく覚えているが、阪急電車に乗って、大阪市と豊中市の市境を流れる神崎川を渡るとき、その異臭に驚いたものである。 赤潮、青潮の発生原因の1つは、合成洗剤に含まれるリン酸だった。そこで合成洗剤ではなく、溶けやすく加工した粉石けんが注目された。 原因にはほかに、肥料などが由来の窒素がある。 生き物たちが好きな私は一人暮らしを始めてからは、洗濯には粉せっけんを使うようになった。 当時の私の知識では、下水処理技術ではリン酸を除去で…