東海大学の落研時代。部員は当然落語を憶えて演じる訳だが…。 ある時、気づいたことがある。自分が「面白い」と思って「ウケさせようと」やっている場所より、「自分ではツマラナイ」と思って、ただ普通に話しているところが「ウケる」ということだ。 三年の時。「反対車」という噺を憶えた。この噺の中に、威勢の良い車屋がお客を乗せていないのに一人で走り出すシーンがあるのだが…。 この時、客は「一人で走り出した」人力車を遠くに見ながら…。 「まだ、乗ってないよ~!……ああ~角曲がって見えなくなっちゃったよ!…あっ!また出て来た!また、ひっこんだ!あんなとこ、ぐるぐる回ってるよ!気がつかないのかね~? あっ!戻って…