物語のはじまり 大正時代のような建物の2階、出窓部分に私はいた。 2階から下を行き交う人たちを見ていた。 何も考えずただただボーっと眺めていた。 しばらく行き交う人たちを眺めていると、私はある一人の女性に釘付けになった。とても美しい。時が止まったようだった。 このままでは女性がどこかに行ってしまう。 声をかけなければと思い、私は女性を追いかけようとした。 次の瞬間、私は左足にとてつもない重さを感じた。左足を見ると、大きなタコが私の足に巻き付いていた。 私はタコを振り解こうとするが、タコは強い力で吸い付いてきた。 その間にも女性はどんどんと歩いて行ってしまう。私はタコを左足につけたまま、女性を追…