クシシュトフ・キェシロフスキ監督による1984年作『終わりなし』について。 作品の背景 参照:物語ポーランドの歴史 東欧の「大国」の苦難と再生 (中公新書) 当時のポーランドは共産主義体制下にあり、それに対して結成された組織が「連帯」であり、労働者を中心に民主化運動を行なっていた。その活動を体制側が刑罰や軍事力で強制的に封じたのが「戒厳令」となっている。同時に経済危機が起こり、それに伴って配給の食料や物資が不足していた。それがこの作品の直接的な背景となっている。 また、それ以前の出来事として、ポーランドは戦時中にはナチスドイツによる占領下にあった。そして、この作品以降としては、1989年にイン…