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絶対数学

(サイエンス)
ぜったいすうがく

絶対数学 (Absolute Mathematics)とは、
「一元体\mathbb{F}_1」 (以下文中ではF_1) 上の数学。
近年急激に研究が進んできており、主目的にリーマン予想の解決も含んでいる。

一元体F_1とは、単位元1のみをもつ乗法群Gに、零元0を添加したもの。
そこから自然に定義されるF_1-代数を考察する数学を指す。

F_1は今までの「環の数学」を支える「根(ね)」であると考えることができる。

例えば一般的な「体」の概念において、有理数体\mathbb{Q}は標数が0の体の中で最小であるが、
\mathbb{Q}もその二次拡大_\mathbb{Q}\sqrt{-1}もF_1から見れば「上空に漂うもの」であるため、これらの間の数学は相対的な数学だと考えられる。それに対し、「絶対体」F_1上の数学を絶対数学と呼んでいる。

なお発祥は1957年のティッツによる『複素半単純群の代数的な類似について』であるが、そこでは\mathbb{K}_1と表記されている。

それから40年近く経過した1995年にマニンの『Lectures on zeta functions and motives』でリーマン予想がF_1で解決される可能性が指摘された。
この論文では東京大学での黒川信重(現東工大教授)による講義ノートからF_1上のテンソル積、「黒川テンソル積」の考え方が引用されている。

「合同ゼータ関数」におけるリーマン予想の対応物、ヴェイユ予想の解法にならい、F_1上でゼータ関数のテンソル積を考えることによって、リーマン予想に決着をつけられるのではないかと期待されている。

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