撫刷毛と打刷毛のはなし ようやく総裏(上裏)までたどり着きました。 総裏とは、掛軸や巻物を作る際の裏面の仕上げとなる 最後の裏打ちのことです。 宇陀紙という和紙を使用します。 楮に白土を混ぜた紙です。 接着剤には古糊をつかいます。 以前古糊の水替えについてお話ししたときに (1月21日「古糊の水替え」) 説明したように、何年もねかせることで 接着力が弱く柔軟になります。 軸ものを作るときには、古糊の柔軟さが必要になります。 けれども、接着力が弱いためしっかりと圧着させるため 打刷毛とよばれる刷毛で十分打たなければなりません。 作ったばかりの糊を使用するときは、撫刷毛という刷毛を 使用します。 …