ラストベルト 錆びたアメリカンドリーム──ラストベルトが映す資本主義の終着点 かつて、アメリカには「夢」があった。大量の労働力と無限の成長を信じ、鉄と自動車と石炭が大地を覆った。五大湖周辺、オハイオ州、ペンシルベニア州、ミシガン州──これらの地域は、アメリカ産業の心臓部として、世界の工場と呼ばれた。高層ビル、郊外住宅、2台の車と週末のバーベキュー。それはまさにアメリカンドリームの具現化だった。 だが、その夢は「資本主義」という名の機械にすり潰され、今や「ラストベルト(Rust Belt)」と呼ばれる錆びついた土地へと変貌した。 栄光の裏で進行していた崩壊のカウントダウン 高度経済成長の時代、企…