野生の熊は警戒心が強いため遭遇する機会こそ少ないが、テリトリーを侵害されたと感じたり、仔熊を守るといった習性から、むやみに人が接近すれば危害に及ぶ。また一度、食害に味を占めてしまった個体は好んで人を狙うおそれもあるとされる。 前回のエントリーで取り上げた日本最悪規模の獣害事件“三毛別羆事件”の“袈裟懸け”と呼ばれる羆は、食害、とりわけ女性に執着したことが指摘されている。 sumiretanpopoaoibara.hatenablog.com 今回は、同じく開拓期の北海道で発生した2つの羆事件を見ていきたい。 ■札幌丘珠(おかだま)羆事件 1878(明治11)年1月に石狩国札幌郡札幌村大字丘珠村…