つねに0.00005秒である。なぜじゃ? 長老に聞かれた。 わかり申さぬ。ぴったり0.00005秒で答えた。 きた球は打ち返す。つかんでそのざらざらした感触を確かめたりはしない。風向きを感じて、どこに放れば遠くまでいけのかを考えたりもしない。 バスケはどないじゃ、と長老がいう。 あたりを見回して半身を翻す、球を弾ませる、己をくねらせる。 とりわけ、あさっての方向に球を放り、虹のような曲線を描いて網をくぐらすのが、たいそう美技なのだという。 堺の商人が詳しいときいた。 渡りをつけられるやいなや。 //