数学において、 群(ぐん)とは、「この範囲では自由に掛けたり割ったりの計算ができる」という範囲(集合)を表す抽象的な概念である。 環とは、二つの二項演算(加法と乗法と呼ぼう)によって定まる代数的構造を備えた集合であって、整数のような性質を持つものである。 体とは、四則演算のできる代数的構造を備えた集合であって、有理数や実数や複素数などの全体が代表的な例である。
環であるが体ではない例として整数全体の集合*1や2次正方行列全体の集合*2が挙げられる。
*リスト::数学関連
*1:1以外の元は、積に関する逆元が存在しない
*2:非正則行列は、積に関する逆元が存在しない
筑波大学に合格された新入生の皆さん、おめでとうございます🎊 私は総合学域群第二類で一年を過ごしました。 総合学域群の学生は一年次に興味を持った学類へ2年次に移行することが出来ます。 この記事では自分が移行先を決めるにあたってもっと早く知りたかった!と思う情報を紹介していきます! 公式でもなんでもなく、元総合生の一人が勝手に書いているだけです。 したがって大学のパンフレットには書けない内情(移行難易度等々)も紹介しています。 しかし自分が小耳に挟んだ噂話までも載せてしまったので鵜呑みにはしないでください。 総合は可能性の塊、しかし代償も
大学入学後に習うのは微分積分と線型代数。 微積の方は、計算問題が主体だったので、受験勉強の延長で対応できたけど、線型代数については理解するのに苦しんだ記憶がある。 線型空間、写像、群、環、体など、定義が抽象的で、定理の証明も順を追って一行ずつ丁寧に読んでもスッキリわかった気がしない。 単位は取れて卒業できたけど、苦手意識がついていた。その後、抽象的な内容のものについて、どうしたら分かるようになるのか、気になっていた。大学卒業してから、色々な本を読み漁っていたら、何となくこうしたら良かったのかな、というのがぼんやりわかってきた。また、あるYouTubeで、大学の数学科を卒業された方の解説や体験談…
演算が「多重集合・自由可換モノイド(2)」と同じようになったので書き方を戻すことにします。単項イデアル整域のイデアル全体の集合の作る半環について考えます。単項イデアル整域の素元分解が可能であることの説明を数式で書いてみたのですが、少し長くなりました。「一意性」については今後の記事で説明します。 を単位元をもつ可換べき等半環とします。 は加法に関してべき等可換モノイドとなります(単位元 )。 は乗法に関して可換モノイドとなります(単位元 )。 は乗法の加法に対する分配法則が成り立ちます。 さらに以下の条件が成り立つとします。 任意の に対して 、 ならば 任意の に対して ならば が存在して が…
「数学ではできるがコンピューターではできないこと」、「コンピューターではできるが数学ではできないこと」があると考えられていると、私の感想ですが、思います。これらは実際にできないということではなく、それを記述する方法がないのではないかと、私の感想ですが、思います。ここではその方法を考えていきます。素因数分解の「可能性」と「一意性」について多重集合を「コンピューターの記法」で記述することを考えていたのですが、素因数分解の「可能性」については多重集合は使わなくてもよいので数式で書くことにします。ここでは単項イデアル整域のイデアル全体の集合の積と最大公約数の演算を考えます。前回の説明では条件が不足して…
こんにちは、ぱるまです。今回は(もう2023年になってしまいましたが)2022年にやったことをざっくりと振り返っていこうと思います。 2022年にやったこと 数学 技術系 仕事 ゲーム Jump King ポケモンSV ネイル 編み物 2023年にやること 2022年にやったこと 数学 圏論の勉強などをしてました。 数学については以下の記事に記載しました。 技術系 KLab で「TCP/IPプロトコル・スタック自作開発」というサマーインターンがあって、そのサマーインターンの資料を読みつつサマーインターンの内容をやっていました。 そろそろ夏休みシーズンとなりますが今年も自由研究のネタに飢えている…
こんにちは、ぱるまです。この記事では2022年にやった数学を振り返っていきます。 かなり雑に列挙していきます。 カーネル法 「カーネル法入門」 コーシー・シュワルツの不等式 span{k(x, -) | x∈X} の稠密性 ノルム空間での線形写像の有界性と連続性が同値な話 圏論 ベーシック圏論 直積の普遍性で ∃! を ∃ にしたらどうなるか (和集合|共通部分)の(像|逆像) 圏論の基礎 モナド 圏論の考えを使った集合論の公理 圏論の歩き方 圏論的論理学 その他 Coq 数学のカンバン作成 命題論理における位相空間論の応用 DBの正規化の話 参考: 2021年のふりかえり 2023年にやりた…
ここでは、データの順序に依存しないアルゴリズムをプログラミング言語のデータ構造で表すことを考えています。単項イデアル整域のイデアルの演算を抽象化したものを考えます。いったん今までの結果をまとめます。 を可換モノイドで簡約可能とします。単位元を とします。 は二元の最大公約数をとる演算 をもち、最大公約数に関して可換べき等半群とします。 が成り立つとします。 に順序 を で定義します。 のとき を の約数、 を の倍数と呼びます。 とおき、 の元を素元と呼びます。 とおき、 の元を既約元と呼びます。 [証明] これは最大公約数の存在に関係なく成り立ちます。 とし とします。 であり であることか…
「単項イデアル整域では既約元は素元である」ということの証明を書いていなかったので付け加えます。以下の条件を考えます。 の任意の元 の最大公約数 が存在する(ここでは は最大公約数を表すとします)。 が成り立つとします。 [証明] とし とします。 であり であることから または となります。 のときは となります。 のときは となります。よって ならば となります。[証明終わり]さらに以下の条件を考えます。 の任意の部分集合 で の任意の元 の最大公約数 が に属するものには最小元 が存在する。 [証明] の無限下降列 があるとします。 なので は最大公約数に関して閉じています。 より が存在…
とおいて書き直します。 を可換モノイドとします。 は簡約可能とします。 は順序をもちます。 積は順序を保存します。 は最小元となります。 このような代数的構造の名前は何かありそうですが、調べてみましたが見つからないのでこのまま進めます。 とおき、 の元を素元と呼びます。 とおき、 の元を既約元と呼びます。 [証明] [証明終わり] が生成する の部分モノイドを 、 が生成する の部分モノイドを とおきます。 [証明] とすると となる が存在します。 よりある一つの 以外は となります。よって となって となります。 より となります。[証明終わり]任意の自然数 に対して が定義されて任意の自…
エレファントな整数論(13)の証明が間違っていたので書き直します。整域 の素元全体の集合を 、既約元全体の集合を とします。 のイデアル ( で生成された単項イデアル)を と書きます。 に対して を と書きます。 のイデアル全体の集合を とおきます。 を と書きます。、 によって( の乗法によって)生成されたモノイドをそれぞれ 、 とおきます。 のとき を一意分解整域と呼びます。 のとき を単項イデアル整域と呼びます。 [証明] [証明終わり] [証明] とすると となる が存在します。 よりある 以外は となります。よって となって となります。 より となります。[証明終わり]任意の自然数…
2022/12/30 Update! せかPです. 今回はネット上で閲覧可能な講義資料の一部をメモとして書いておこうと思います. なお,直接PDFのリンクを貼っているものは一部で,今後リンク切れする可能性もあるので詳細はHPのリンクから見てみてください.微積・線形代数などを最初の方に並べてあります. [1] 微分積分,複素関数論,信号処理とフーリエ変換,微分方程式など 明治大学 総合数理学部現象数理学科 桂田祐史先生のHPです. 講義のページから,資料を閲覧することができます. 以下は講義ノートや資料のリンクです 数学リテラシー(論理,集合,写像,同値関係) 数学解析 (授業資料>講義ノート)…
学習体系ばかり考えても「計算できるようにならないと楽しくない」という話はあるのだが,一つの道筋をまとめておく。プロの数学者ではないので,それぞれの世界の見どころを知り,ちょっと穴場を探索できれば良い。 ただ,学生ではないだけに,演習書をかたっぱしから攻略するわけにもいかない。自分にとって現在のベストな文献をまとめる。 線形代数 演習 線形代数キャンパス・ゼミ 改訂7 作者:高杉 豊,馬場 敬之 マセマ出版社 Amazon 線形代数は代数学の具体例なので必須。なのだが,線形代数はあらゆる数学の基礎になっているので,目的を絞って学習しないときりがない。一般人はキャンパス・ゼミの演習ができれば十分,…
働くのは疲れた、胃腸炎になったりパニック発作が起きるようになってしまった。もう限界なのであろう。なので療養期間をしばらく確保することにした。もうそろそろニートになるので、勉強だけすることにする(勉強はストレスにならない娯楽なのである)。院試?知らない子だね。 プログラミング・計算機科学など C言語、C++、Python、R、Java、HTML&CSS、JavaScript、Ruby、Ruby on Rails、Cコンパイラ自作、OS自作、CPU自作、Web上で動く機械翻訳ソフト自作 数学 集合論、微分積分、線形代数、位相空間論、ルベーグ積分、関数解析、代数学(群・環・体)、イデアル論、可換環論…
こんにちは。モフモフスキー(rab (@movmovsky) / Twitter)です。 今日は私(記事執筆時で学部3年)が所属している計数工学科の授業を紹介したいと思います。新しく計数に内定された方や進学を考えている方にも、学科HPには載っていない授業の所感などをお届けできたらなと考えています。 (底点等の進学するまでの情報って結構潤沢ですけど、入った後の情報って比較的少ないですよね..) なお、現在私が学部3年なこともあり、本記事では計数進学後の2Aセメスターと3Sセメスターのみに絞って話していくので、その点ご承知おきください。 3Aセメスター以降の授業に関してはこちらの記事などに詳しく書…
他人の試験の体験記を見るのが好きなのでそういう人のために雑に記録しておきます。 専門基礎4完半、専門1完(もう1問は手も足も出なかった)、英語はとりあえず書き上げた、口頭試問は…、程度の者です。それぞれ少し細かく説明していきます。 専門基礎 専門基礎は6問から成り、問題構成としては重積分や簡単な行列計算で解ける線形代数などの一回生程度の内容が1問ずつ、一様収束性や少し回りくどい極限に関する難しめの微積が1問、後は各専門分野の基礎となりそうな問題が1問ずつ出されているように思われます。具体的には複素積分や微分方程式などの解析系、少し手の込んだ線形代数や簡単な群論、環論の代数系、そして多様体や位相…