古式捕鯨と塩釜第3回(塩釜から見える鯨料理②) この連載は、2024年2月(財) 日本鯨類研究所から出版された鯨研通信500号に新たに写真や解説を加えたものである。 出典 日本捕紀行(北前船と鯨)より 鯨は、縄文時代の遺跡から鯨の骨が出土しており、日本人は古くから鯨を食していた。仏教が日本に伝来すると牛等の動物の肉食がたびたび禁じられたが、鯨は魚とみなされ、長く食され鯨に関する文献は奈良時代からある。 『古事記』(712)に神武天皇に鯨肉が献上されたとあり、『万葉集』(759)には海の枕言葉として鯨魚取(いさなとり)が詠まれていたと、一般財団法人日本鯨類研究所が、1990年12月刊行した「鯨研…