妻の視線を感じたモーセは 「さあて、明日も忙しくなるぞ」 と大きな伸びをした。日ごろ彼女には言い知れない苦労をかけて来た。 だからと言って、あえて口にはしなかった。 自分の気持ちは分っているはずだ、とも思っていた。仕事に追われて 家のことはすべて彼女にまかせっきりで 夫らしいことは何もしていない。 彼女も特別何も言わない。時々今夜のような不安な眼差しを感じることはあるものの いつもそっと寄り添っていてくれる。彼女はどう思っているのだろうか? 一度ゆっくりと話さなければ・・・・・ 深々と枕の中に沈んでゆく頭の隅で、彼は思った・・・ ・ ・ ・ そう、そう、いい忘れたけど、70人の長老たちを選べと…