預言者エリヤの出現は、アハブ王とその妻イゼベルにとって、厄介な存在だった。真の神から民の目をそらさせ、 バアル礼拝を奨励し、率先して偶像礼拝を行っていた王の前に、忽然と現れたエリヤの風貌は、威厳があって、王の権威をもってしても抑えがたかった。 彼、エリヤには、神の怒りの霊が臨んでいたのだ。 特にイゼベルは、真の神の預言者たちの迫害に、躍起になっていた。 そのやり方は熾烈だった。 王に仕える高官オバデヤは見かねて、預言者100人余りを分散して、荒野の洞窟にかくまったほどだった。 エリヤはカルメル山で、バアルの預言者たちと対決し三年半も雨が降らなかった地に、雨を降らせた。 持てる力をすべて出し切っ…