ウクライナとロシア、ガザとイスラエルの戦争が今私の生きているこの場所の地続きで起きている。私は何をすべきだろう、と自問する。私はと言えば自分の生活で精一杯である。障害者福祉の仕事に日々携わりながら、少しでも社会が良くなればと思っている。しかし一方で世界では無残にも人々が殺されて亡くなっている。障害者福祉の仕事の他に美術に携わる身として何を考えて何をすれば良いのか。自問の先を美術史に向けてみた。 最初に浮かんだのは、フェリックス・ヌスバウムというユダヤ系ドイツ人画家。その後はフランシスコ・ゴヤだった。フェリックス・ヌスバウムは第二次世界大戦中ナチスドイツによるユダヤ人迫害から、家族とバラバラにな…