トイレの話 4 いままで多少きれいな印象を与えるための「トイレ」という語を使ってきたが、今回は「便所」を使いたい。朝鮮の便所史を調べると一筋縄ではいかないことがわかる。 いままで「排泄文化論序章朝鮮編」として長い文章を書いてきた。そこで、その概略をまとめると、次のようになる。 まず、糞尿をためる穴の有無という問題がある。主に山村などで最近まで残っていた便所は、穴がないものだ。平たい石やコンクリートの床の両側に足を置く石がある。そこで用を足すと、かまどやオンドルに使った灰をかぶせ、少し貯まると枯葉などの上に投げてたい肥にする。 便槽がある場所が便所だが、母屋にはなく、庭の小屋という場合が多いよう…