原発事故で放射性物質が周辺地域に漏れた場合、すぐに逃げることができない入院患者や施設入所の高齢者といった「要配慮者」をどう支えるか。 能登半島地震を機に、従来の対策の甘さが浮かんでいる。 最大震度7を記録した石川県志賀町に立地する北陸電力志賀原発から30キロ圏にある21カ所の「放射線防護施設」のうち、6施設で損傷や異常が起きていたことが明らかになった。 2011年の福島第1原発事故では、原発に近い双葉病院(大熊町)の患者ら44人が十分なケアを受けられないまま長時間の避難を強いられ、亡くなった。 その反省を踏まえ、一時退避先として設置が進められた施設である。能登半島地震で放射能漏れはなかったとさ…