能登半島地震は3月1日で発生から2カ月。避難生活が長くなり、滞在先を転々とする中で孤立し、体調を悪化させる被災者が後を絶たない。古里に帰りたくても、戻れない現実。病院と避難所に離れ離れになった老夫婦の2カ月を追った。(飯塚大輝) 輪島から金沢に避難。杖を手に避難所内を歩く谷律子さん=2月25日、金沢市稚日野町北のいしかわ総合スポーツセンターで 金沢市のいしかわ総合スポーツセンター(スポセン)で2月下旬、石川県輪島市から避難した谷律子さん(73)が、つえを突きながらリハビリに励んでいた。50年近く連れ添った夫正行さん(83)は、そばにいない。「地震前のように訪問看護を受けていたら、こうはならなか…