江戸中期以降の公家の家では、 旧暦の6月16日「嘉祥の儀」の夜に、 16歳に達した男子は「元服」の際に、 袖の脇を塞ぐ「脇塞」(わきふさぎ)、 女子は「裳着」(もぎ) と一緒に 「鬢批」(びんそぎ) を行い、 それを祝して「お月見」を行いました。 これは現代の「成人式」のような儀式で、 16日の夜、中央に赤い丸印が付けられた 大きな薯蕷饅頭を素焼きの皿に載せて月に供え その饅頭の中心に萩の箸で穴を開けて、 その穴から「十六夜の月」をのぞき見るという 不思議な風習です。 「お月見」といっても6月ですから 「中秋の名月」を愛でる訳ではありません。 また「中秋の名月」では、 「茄子」に穴を開けて月を…