ヘンリー・デイヴィッド・ソロー(1817年~62年)の『森の生活(ウォールデン)』(1854年、飯田実訳、岩波文庫)を読んだ。あらためて説明する必要もない19世紀アメリカ文学の古典だ。 自然の中での2年間の生活を記した『森の生活』 ウォールデンは、マサチューセッツ州東部の小さな町コンコードにある面積250,000㎡、周囲2.7kmの小さな湖。周囲は森に囲まれている。28歳のソローは自力でその湖畔に小屋を建て、1845年7月から約2年2カ月、そこで生活した。『森の生活』は、その折に観たもの、感じたことなどをまとめたエセー風の作品だ。 といっても、ソローは周囲との縁を完全に断ち切って世捨て人のよう…