テンプル・グランディン。 私は一九四七年に生まれてラッキーだった。その十年あとに生まれていたら、自閉症をもつ私の人生は、まったく違っていただろう。 四七年には、自閉症の診断の歴史がはじまってまだ四年しかたっていなかった。自閉症と診断されるということがどういう意味をもつのか、わかっていた人はほとんどいない。 私の症状ーー物を壊す、言葉を話せない、身体に触れられることに敏感、回転するものに異常に執着するーーは、今の時代なら自閉症と診断されるだろうが、母はこうした症状に気づいたときに、理にかなっていると思えることをした。 私を神経科医に連れて行ったのだ。 テンプル・グランディン「自閉症の脳を読み解く…