はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と十六 「キカイダー!」 残念ながら、『佐武と市捕物控』のことはサッパリだが、その作者である石森(石ノ森)章太郎のことは、あの仮面ライダーなどの人造人間系ヒーロー絡みで、よく存じ上げている。 そんな、彼が繰り出す人造人間系ヒーローは、なぜか妙に切ない。とくに、「左右非対称のデザイン」が斬新でキュートな『人造人間キカイダー』は、「不完全な良心回路」をもつロボットの苦悩というコンセプトからして、切なさが際立つ、機械と人間の渾然一体型ヒーローなのである。 しかも、その際立つ切なさを、更に、もうワンランク上にまで押し上げてしまうのは、不完全な良心回路をもつキカイ…