歌舞伎座第三部を観劇。入りは他の部より劣るが平日としては悪くはない、そこそこの入りと云った感じだろうか。しかしこの部を観ていない芝居好きは勿体ない事をしたものだと思う。白鸚がようやく今年初めて歌舞伎座に登場。『ラ・マンチャの男』ファイナル公演の為に正月公演にも出なかった高麗屋だが、その『ラ・マンチャの男』がコロナの為にほんの数公演を除いて中止となってしまった。その心中察するに余りある。チケットを押さえていた筆者にとっても、痛恨の極みであった。文字通り満を持しての感で、倅幸四郎と素晴らしい芝居を見せてくれた。 時代物を得意にしている真山青果としては珍しい股旅劇。配役は幸四郎の佐吉、右近の辰五郎、…