「私は、荒波が好きです」 「ダイナミックさに感動を覚えます」 「水しぶきが舞い上がっているのを見ると、 その躍動感に、自然の雄大さを感じます」 「私は、凪が好きです」 「あの穏やかな感じがたまらなく落ち着きます」 「どこまでも広がる水平線を見ていると、 心が和むのです」 お互いがそれぞれ、自分の好きな海について 語っています。 しかし、これを相手に押しつけると どうなるでしょうか。 「俺は、荒波が好きなんだよ」 「凪が好きなんて、何、甘っちょろいこと 言ってるんだ」 「何でも荒々しく、激しい方が生きてる 実感があるってもんだろう」 「のんびりなんて、いらねえよ」 「私は、凪の方がいいと思ってる…