ヘッセ作「荒野のおおかみ」の事実上の初読 たぶん28歳くらいに一度全部読んだはずだが何も覚えていなかった ヘッセの第一次大戦までの作品は頭に残りやすいが 社会批評、人間精神の問題に深く分け入っていく時代の作品は なぜか頭に残らない デミアンもシッダールタも名作と言われて 私も楽しく読んだものの あんまり印象に残っていない で それぞれ再読したのだがいいまいちだった これはもう相性の問題だと思う で 荒野のおおかみである この第一次大戦以降の精神の探求ものの中では 前述の2作よりも後のナルチスとゴルトムントよりも ずっと面白かったのである ガラス玉演戯はまたちょっと違う系統なので ヘッセ作品の中…