His Monkey Wife: or, Married to a Chimp(1930)John Collier ジョン・コリアといえば、日本においては『炎のなかの絵』や『ジョン・コリア奇談集』などによって、「切れのよい怪奇・幻想の短編を得意とした作家」として認識されているのではないでしょうか。しかし、初期には詩集や長編小説も出版しています。『モンキー・ワイフ』(写真)は処女長編であり、唯一翻訳されている長編でもあります(※)。 後期の短編しか読んだことのない人が『モンキー・ワイフ』を読むと吃驚すると思います。しかし、訳者の海野厚志は「彼を怪奇小説或いは恐怖小説の作家とすることは、盲人が象を…