妖精は花の匂いがする:藤沢桓夫 1952年(昭27)東成社刊。(ユーモア小説全集第9) 長いタイトル。戦後の大阪を舞台とした二人の女子大生と独身助教授との恋愛感情の絡み合いと変容を描く。米川水絵と小溝田鶴子は仲良しだが、水絵は老舗菓子屋の令嬢で、一方の田鶴子は貧しい境遇で授業料も滞納していた。演劇仲間の男子学生唐木の紹介で、田鶴子は高額アルバイトの話に乗ることにした。それは美術写真のヌードモデルで、若い実業家のカメラ道楽のためという。その話を聞いた水絵は田鶴子に思いとどまるように忠告するが、田鶴子は唐木に見張り役を頼んで、撮影場所に向う。問題は写真が展示された後に起こる。彼女は学校側から退学を…