藤浪剛一

1880-1942。日本におけるレントゲン学の第一人者。温泉学・医史学の分野でも先覚者として業績を残している。夫人の藤浪和子（物集和子）とともに掃苔家としても著名。

略歴

名古屋生。愛知一中から東京の独逸協会中学へ転校、同校卒業後、岡山医学専門学校へ入学。1906年に同校卒・同校病理学教室から東京帝国大学医学部へ転出。1909年に渡欧しウィーン大学にてレントゲン学を専攻。1912年帰国し、順天堂医院に勤務・レントゲン科長となる。1915年には主論文「空虚なる胃中に於て液分泌を診定する簡易なる「レントゲン」検査法に就て」ほか参考論文６編（何れも独文）により医学博士（東京帝国大学医学部）となる。1920年に慶應義塾大学病院が開設されるとともに同大学医学部教授に就任、理学的診療科を主宰する。1921年再渡欧、翌年帰国。1923年に日本レントゲン学会設立に際し幹事、1928年に日本医史学会設立に際し理事、1930年に日本温泉協会設立に際し理事、1933年に日本放射線医学会設立に際し第一回会長、1935年に日本温泉気候学会設立に際し理事、1940年に富士川游の後を襲い日本医史学会理事長、1941年に日本温泉科学会設立に際し副会長などを歴任。
なお遺体は逝去の翌日に慶應義塾大学医学部病理学教室で解剖された。