「多摩美術大学大学院 日本画研究領域二年生展」と書かれている。 計十二名の作品が並び、基本、一人当たりの展示は複数。 ギミックとしての面白さは『渡部真衣』の〔憂国〕。 随分と大上段に振りかぶったタイトルで、壁には「至誠」としたためられた書が下がっている。 その下の床面には墨で描かれた女性の顔で、大分の大きさ。 画の上にはプリンターを模した機械がセットされ、定期的にぐいんぐいんと稼働、インクジェットを噴き出している様を見せる。 普通に考えれば『三島由紀夫』との関連性だが、描かれている女性の顔の好ましさに単純に反応してしまう。 『藤生百音』の数点のモチーフはペンギンを右代表とする鳥。 羽毛のほわっ…