虎尾達哉氏の古代日本の官僚-天皇に仕えた怠惰な面々を読んだ。タイトルの通り、古代から中世の日本の朝廷には実は怠惰な官人が多くいたという内容なのだが、それにもまして、実は第一章の「律令官人とは何か」が面白かった。 陰位 まず第一に、今まで、朝廷に出仕して何らかの職務についている者は皆貴族だと思っていたのだが、実はこの理解は誤りだった。これはP33の「蔭位で貴族を再生産」というところに書かれている。古くは聖徳太子が定めたとされる十二冠位に端を発する位階は大宝令では一位から八位という数字に変わり、その一番下に初位を置く形式になった。陰位とは、大宝令で五位以上の子や三位以上の孫は特権として最初から高い…