『ミツバチのささやき』をTOHOシネマズの午前10時の映画祭で観た。町山智浩の解説付き。 町山智浩の解説がいいのは、個人的な感想を極力はさまないところ。つまり、ここが好きですとか、ここが〇〇っぽいとかじゃなく、作品の映画史的な位置とか、映画が作られた頃の時代背景、監督の略歴とか、役者の個人史とか、観客の鑑賞後感を豊かにはしてくれるが、それをどちらかへと導こうとはしないように心がけていると見受けられる。 もちろんそれでも映画の上映にわざわざ解説をつけるのはチャレンジには違いないが、名作の誉高い『ミツバチのささやき』は、その作られた1973年のスペインの状況を知っておくことがほとんどの観客にとって…