蛇の指輪

薬草研究家ルマーロ親子と共に貿易国ツェストルバンタに到着した光の魔法使いトレルブの心が同じダイヤモンドの蛇の指輪を指にする娘ジュディの心とシンクロした。 （良かった。生きていてくれたんだな） 親なら誰もがそうするように、トレルブの心が娘ジュディの記憶を辿った。 娘ジュディの記憶を辿ったトレルブは愕然とした。 生まれてから、シャウザーに斬られて母を失ったあの日までの記憶が全て失われていた。 トレルブの眼から涙が溢れ出した。 （そうか、、そうだよな。あんな悲しい出来事、、、忘れたいよな） 泣きながら、これまでのジュディの記憶を辿った。 （そうか、ケモノビトに拾われたのか。今はディアマンディと呼ばれ…

トレルブの指に絡みつくダイアモンドの蛇の指輪が痛みを与えた。 「何だ？この痛みは？ 」 娘が近くに居ると伝えている。 「ジュディ… 近くにいるのか？ 」 ルマーロを探して馬の手配をした。 王と王妃を救ったトレルブに手を貸さない者はいない。 「私もお供します」 ルマーロが歩み寄った。 「悪いな。娘の気配を感じるんだ」 「お供します」 ルマーロは黙って付き添った。 アリデラードの外の世界がどんな事になっているか解らない。 それでも、王と王妃を救ったトレルブの為に付き添う事を決めた。 息子のウェッピィに留守を頼むつもりだったが、ウェッピィまで付いてきた。 ルマーロが頭を抱えた。

遠くで輝いていた湖が、近づくにつれ、輝きを増す。ディアマンディがたまらず声をあげた。「うわあ、綺麗」 レウリーが頷いた。「ホントに綺麗だ」「森以外の場所へ来たのは初めて」 言われてレウリーがハリドに聞いた話を思い出す。「森へ来る前の事は憶えていないのか」「うん。昔の事は全然憶えていないの」「そうか、なら未来の事だけを考えればいい」 ディアマンディが口を開いた。「時々、未来を夢で見るの。レウリーが来る事も夢で見たんだよ」 レウリーは眼を大きく開けて驚いた。「それは凄いな。未来の夢を見れるなんて」 湖のほとりにたどり着くとレウリーが馬を止めた。「少し休もうか。食事でもしよう」 馬を降りた二人は、適…

ゴースト・ストーリー傑作選――英米女性作家8短篇 作者:川本静子・佐藤宏子 みすず書房 Amazon 『ゴースト・ストーリー傑作選 英米女性作家8短篇』川本静子・佐藤宏子編訳を読む。 「19世紀半ばから20世紀初頭」ブームとなったゴースト・ストーリー。訳者あとがきによると、この頃のゴースト・ストーリーのうち、なんと「70%が有名・無名の女性作家」だったとか。その中から英米各4篇の作品をチョイス。 何篇かの作品のあらすじや感想をば。 『冷たい抱擁』メアリー・エリザベス・ブラッドン著 川本静子訳画家である男は身寄りがなく父の兄に面倒をみてもらっていた。男と伯父の娘・ゲルトルーデは二人で結婚を約束し…

おつかいエンカウントの攻略情報がネット上にないので自分で書き出した次第です 読みにくいなどの指摘、間違い・捕捉などありましたらコメントの方までお願いします 一応説明しておくと、おつかいエンカウントは「脱出メロンボール」と同じ作者さんの謎解き系フリーゲームです(下記リンクからDLできます) 18禁要素はありません www.freem.ne.jp ─────────────────────────────────────────────────────── ↓ここからネタバレ注意↓ ※「」で括ってある単語はアイテムです 家○自室→「スライム」入手、リビングへ○リビング→右下で「本」入手、自室の本棚…