生きものはな、おそらくみんな、もちつもたれつじゃ。(本文より) 阿部暁子先生、川上弘美先生らとともに 今年度の入試で脚光を浴びそうな作家の 新境地となる10月に発売された作品だ。 辛酸をなめ続けてきた少年が目標を定め 一所懸命に努力して夢に近づいていくよ。 やさしさがあふれる環境で成長する彼が やがてとんでもないことに巻き込まれる。 時代物っぽいんだが物語に引き込む力は ハンパじゃなくて気づけば夢中だったよ。 とくに助けたくない人物を無理してまで 助けるのか問うシーンが印象に残ったな。 この伏線があったから終盤の彼の判断が びっくりするほど尊いと感じられたわ~。 師匠が大事にしている理念にも要…