写真学校に入って、最初の課題は「自我を捨てる作業」。 自意識や美学をブルドーザーのようにいったんペッタンコに薄くして、夜の街を彷徨い集まったコマをセレクトすることによって、39年(当時の年齢)の今まで刷り込まれていた「美しい」とか「価値がある」という概念を再構築する作業だった。 要は面の皮とか、見栄とか、そういった虚飾を剥がしていく作業。それを取っ払ったところに、本来の何かがあるって気づくための作品。 「elation」-高揚感- と、後付けにしたのは、虚飾をどこまできれいさっぱり捨て去って、自然に自らの本質に迫れるかという写真に取り組む際の基本動作。 作られた「美しさ」や「価値」の見直しの結…