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西京雑記

(読書)
さいけいざっき

前漢時代の西京長安)の雑事を記録したという形式による逸話小説集。6巻。両晋南北朝時期にまとめられた作品。作者として漢の劉歆,晋の葛洪,梁の呉均などの名が挙げられているが、いずれも確かな証拠はない。この作品の基礎には前漢時代の都でのできごとをのべる講釈のような文芸があって、それが文人の手で文字に定着されたものであろう。意識的な虚構の手法が用いられており、また所収の挿話は、それ以前の雑記集に多い、教訓的な色づけを払拭して独自の価値観をもっているなど、中国小説の発展史のうえで注目すべき作品である。

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