3 中世前期~中期(6世紀~12世紀)の西ヨーロッパの医学 西方キリスト教社会では、修道院制度の拡大(四世紀からの信仰と生活を調和するための修道院の発達)に伴い、古代ギリシアの様々な文献の写本が修道士の重要な仕事とされ、写本制作(文献保存)という意味でギリシア医学がある程度継承されました。 (キリスト教は、医療・医学の領域で有効な独自の理論を持っていなかった) 修道院では主に巡礼者である旅人のための宿泊施設があり、それは病者や孤児などを収容する機能を有していました。(ホスピス、後にホスピタルと呼ばれる) そこで多くの病人を癒したキリストの生き方に倣(なら)うため修道士達は看護を実践していました…