「広告は愛」と多くの人が言う。 企業に好感を抱いている人がいる。商品が好きな人がいる。この絆を強くするのが広告だ。 サーディン缶に並べられた小魚のように、広告には愛がいっぱい詰まっている。 しかし、愛さえあれば、広告が満たされるわけでもない。そこにリアリティがなければ、共感は生まれない。愛の嘘を、人はすぐ見抜く。 なのに、日本の広告主は、タレントをすぐ担ぎ出す。タレントをCMに出演させた瞬間に、リアリティが吹っ飛び、広告が虚構になる。 広告は、しょせん絵空事だ。美しい嘘を聞きたがっている。それが人の心理だと言う声が聞こえる。しかし、テレビの前でみんなが”宝塚”を観たがっているとでも言うのだろう…