水俣病と環境省 被害を直視しているか(2024年5月9日『北海道新聞』-「社説」) 熊本県水俣市で行われた水俣病の患者団体などと伊藤信太郎環境相の懇談で、環境省職員が団体側の発言中にマイクの音を複数回切り、発言を遮っていた。 伊藤環境相はきのう現地を訪れ不適切な対応だったと謝罪した。 環境相の帰りの新幹線に間に合わせるため、1団体3分間の発言時間を超えるとマイクの音を切る運用を決めていたという。 折しも未救済の患者の存在を認める司法判断が続いている。 にもかかわらず、当事者の声を拒むに等しい対応を取るようではあまりに事務的で冷たく、不誠実と言わざるを得ない。 患者団体などは「苦しみ続ける被害者…