発達した積乱雲の雲頂は、しばしば圏界面(対流圏の頂上)に届きます。つまり、地球の多くの場所で、空気は地表付近から圏界面まで対流で動くことがある。しかし、積乱雲に伴って発生する現象は、人間の生活の場にとてつもない被害をおよぼすことはあっても、空間的な広がりをいえば局所的です。 一方、海洋で対流が発達しても、海底にはなかなか届きません。「ブロッカーのコンベアベルト」のところで述べたはずですが、ガルフストリーム起源の高塩分水が冷却されるグリーンランド周辺の海域、南極周辺で沿岸ポリニヤが形成されるような海域で作られた高密度水だけが海底付近に到達できます。こうした海域、全海洋に対する面積は微々たるもので…