岩波文庫196、197ページ「恁麼(いんも)いはんに、徳山さだめて擬議すべし。当恁麼時(とういんもじ)、もちひ三枚を拈じて徳山に度与(つうよ)すべし。徳山とらんと擬せんとき、婆子いふべし、「過去心不可得、現在心不可得、未来心不可得」。 もし又徳山展手擬取せずは、一餅(いっぴん)を拈じて徳山をうちていふべし、「無魂屍子、你莫茫然(無魂(むこん)の屍子(しし)、你(なんじ)茫然たること莫(なか)れ)」。」 (婆さんが徳山禅師に「和尚はたゞもちひの心(しん)を点ずべからずとのみしりて、心のもちひを点ずることをしらず、心の心を点ずることをもしらず」)婆さんがこのように言えばきっと徳山禅師は何か言おうと…