化学情報学(ケモインフォマティクス)やマテリアルズインフォマティクス(MI)の進展に伴い、分子構造からその物性や活性を予測する定量的構造活性/物性相関(QSAR/QSPR)モデルの重要性が増しています。これらのモデル構築の根幹を成すのが、分子の化学的特徴を数値化した「分子記述子」です。今回は、分子の3次元構造と静電的特性を捉えるクーロン行列 (Coulomb Matrix) と、そこから算出できる記述子候補について、RDKitを用いたPythonでの実装とその解釈等について紹介します。クーロン行列についてはRupp ら(引用文献は本文最後)により提案されたもので、「化学のあらたしい形」さんの記…